先日、セメントの人工骨頭置換術がありました。
セメントを使用する際には30秒毎にカウントしてもらっています。
私の施設では、だいたい3分~3分30秒でセメントを充填開始することが多いです。このため、3分台に突入した時から緊張感が増します。
もちろんセメントガンの先端からセメントを少し垂らして粘度を確認しながらセメントを充填するタイミングを決定しています。
しかし、手術室看護師がカウントしてくれるセメントにモノマーリキッドを注入開始してからの時間も大いに参考にします。
先日の人工骨頭置換術では、ちょうどモノマーリキッドを注入開始してから3分で病棟から内線がかかってきました。
そしてあろうことか、時間をカウントしている看護師がその電話に対応したのです! セメントのカウントをしている人が、いきなり病棟対応をしだしたので私は非常に焦りました。
正直言って、どうでもいい内容の問い合わせだったのですが、そのためにセメントのカウントが完全に止まってしまいました。
整形外科医的な常識ではちょっとありえない状況なのですが、いくら説明しても病棟対応の方が重要と感じたらしく、一向にセメントのカウントを再開しません。
やむを得ず、だいたいの感覚でセメントを充填したので事無きを得たのですが、セメントのカウントはそれだけに集中してほしいと心の底から思った出来事でした。
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先生、それって手術室的にはインシデントレポートものだと思いますが。。
オペ室リスク管理の人に伝えるべき内容と思われます。
私はセメントで一度痛い目にあってますので、そのお話は、許しがたい内容と思われます。