人工股関節全置換術(THA)で、ときどき脱臼整復で難渋することがあります。もちろん通常症例ではあまり無いですが、高位脱臼症例などではしばしばあります。
このような場合、どのような対策があるでしょうか? もちろん、ステム挿入の深さ調整などは基本ですが、今回はステムを設置した後に難渋するケースを想定しています。
考えつく限りでは下記のような対策を順次施行していくことでしょうか。ただし、あくまでも後側方アプローチに関してです。
- 残存している関節包を切除する
- 梨状筋を含めた短回旋筋群を切除する
- 大殿筋停止部を徐々に切除する(全切除は避ける)
- 中殿筋前方を展開して前方関節包を切除
だいたいこんな感じで用手的に緊張している組織を切除していきます。大事なことは、どんなに絶望的な状況でも「必ず整復できる!」という信念を持つことでしょうか(笑)
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です