日経メディカルに興味深い記事がありました。
「添付文書に従わないと裁判で負ける」の誤解 です。


むむっ、これは是非知っておきたい知識です。詳細は上記のリンク先を参照いただきたいのですが、私が知りたいのは結論です。この部分だけ下記に転載させていただきます。




医師は添付文書に記載された注意義務を必ず順守しなければならないものではありませんが、それに反する措置を取った場合には、その合理的理由を明らかにする必要があるといえます。医療機関の主張する理由が当時の医療水準に照らして合理性を有していれば、過失は認められませんし、医療機関において合理的理由が説明できないのであれば、過失が認められることになると考えられます。




う~ん、微妙な結論ですね。記事のタイトルから添付文書に多少従わなくてもOK的なイメージをしていましたが、ほとんど「添付文書に従わないと裁判で負ける」という結論です。


多くの医師が思っているように、添付文書ももう少し要点のみ記載してくれると遵守可能なのですが、記載事項全てに従おうとすると使用することすらままなりません。


だいたい肝機能障害や腎機能障害の患者さんでも問題なくOKな薬剤はほとんど存在しないため、添付文書に100%従うためにには 20~40歳台の健康人にしか処方できません。


身体の悪い人の治療をするために薬剤処方するのに、添付文書で注意喚起(=何か起これば医師が責任取れよ)のオンパレードでは、添付文書遵守は物理的に不可能です。


今回の記事から学んだことは下記です。
  • やはり添付文書に従わないと裁判では基本的に負ける
  • 裁判で負けないためには、従わない理由を診療録に記載する必要がある


う~ん、書いていてイヤになってきました...。






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