人工股関節全置換術(THA)や人工膝関節全置換術(TKA)は定型的な手術です。もちろん、中には難症例がありますが、ほとんどの症例は決まった手順で進んでいきます。


人工関節全置換術はインプラントという大きな異物が体内に留置されるため、感染対策からもできるだけ手術時間を短縮化することが望ましいです。


ただ、やみくもに手術時間短縮化を目指してもなかなか結果が出くいです。このため私は手術工程のマイルストーン、およびクリアする時間を事前に設定することにしています。


例えば TKAであれば、手術時間1時間30分ぐらいがまずまずの時間だと思います。それでは1時間30分で終了するにはどうすれば良いのでしょうか?


TKAは大腿骨と脛骨の処理が交互なのでマイルストーンを決めにくいです。このため私はインプランテーション開始をマイルストーンにして執刀開始から1時間を目標にしています。


このペースだと、だいたい1時間30分程度で手術を終了することが可能となるからです。漫然と手術をするよりも、マイルストーンを設定する方が安定的な手術が可能です。


特に、人工関節前置換術等の定型的な手術に関しては、マイルストーン設定は相性が良いと感じています。関節外科の先生は一度試されてはいかがでしょうか。






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