先日、大腿骨ステム周囲骨折に対するバンクーバー分類による治療法選択についての記事をアップしたところ、えにぐま先生より下記のコメントをいただきました。



最近は単純X線写真でバンクーバー分類B1とB2でのステムの緩みの評価が以外と困難なのでBaba分類というもので評価しています。 セメントレスステムのポーラス部に骨折が入っているか入っていないかなので簡便でおすすめです。



Baba分類...恥ずかしながら初めて聴きました。
2018/12月号の Monthly Orthopaedics Vol. 31 No.13に順天堂大学准教授の馬場智規先生の特集がありました。


拝読すると、非常にロジカルで分かりやすい分類です。明らかにバンクーバー分類よりも臨床に即しており、特に術式選択の際には強力なツールになります。



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上図は International Orthopaedics (SICOT) からの転載ですが、ざっくり言うとステムと大腿骨との固着部分に注目した分類です。


セメントレスステムはポーラス部分に、セメントステムは全てセメントマントルに骨折が及んでいるのか否かで、骨接合術で問題ないのか再置換術まで行うのかを選択します。


もちろん、セメントレスステムではポーラス部分に、セメントステムでは全てのセメントマントルに骨折が及んでいると、不安定とみなして再置換術を選択することになります。


バンクーバー分類で骨折型を判断してアタマの中で術式選択を考えていましたが、
この過程が Baba分類を用いることでクリアになります。


今後は、ステム周囲骨折があればバンクーバー分類ではなく Baba分類で治療方針を決定したいと思います。えにぐま先生、ありがとうございました!







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