最近、スタートアップの舵取りの指針を求めて、経営学の本ばかり読んでします。医学もそうですが、経営学もリアルワールドがベースなので非常に興味深いです。


ハーバード大学のマイケル・ポーターの「持続的な競争優位の獲得」が経営の目的となるという SCP理論があります。経営学では最も有名な理論のひとつです。


原理原則と考えられていた理論ですが、近年の実証研究から現代には当てはまらなくなってきている可能性が指摘されるようになりました。


例えば、富士フイルムHDはもともと写真フィルムの会社でしたが、デジカメの普及で企業存亡の危機に立たされました。たった 5年ほどで主力事業が消滅するほと激震です。


たった数年間でデジタル・医療分野に事業転換して、生き残りに成功しました。古森社長というカリスマ経営者が居なければ、社歴70年・売上高2兆円の大企業の倒産は必至でした。


富士フイルムのような歴史のある大企業でさえも、簡単に倒産危機に追いやられるほど現代は変化が激しい時代です。最近では主力事業が5年しかもたないこともよくある話です。


このような状況では「持続的な競争優位」を獲得しても企業は永続できません。解決策は、波乗りのように数年スパンで主力事業を変化させていくジェネリック戦略です。


実は、私たちの医療業界も似たような状況になっていると感じています。がん治療やロボット手術の領域などがその代表です。整形外科では脊椎外科や関節リウマチも該当します。


一度獲得したら一生安泰な技術は存在せず、数年で破壊的イノベーションがやってきて常にアップデートに迫られます。このような環境では「石の上にも三年」では対応できません。


長期的には国民皆保険制度が崩壊するのは既定路線なので、高収入を維持したいのであれば武器となる医療技術を身に着けておく必要があります。


しかし、技術を習得したらアガリ!では全くありません。習得した技術の正味期限は10年もたないことを念頭に、常に次の技術をキャッチアップする気概が必要です。


なかなか厳しい環境ですが、私たちの現実だと思います。現状では希少価値のある医師であっても上振れが少ないです。悪い意味での平等から抜け出していません。


しかし、いよいよ国民皆保険制度の維持が困難となって混合診療を解禁せざるを得なくなると状況は一変する可能性が高いです。希少価値のある医師は暴騰し、それ以外は沈下する。


現在卒後10年以内の医師はそのような状況下で働く可能性が高いです。これに対応するには常に技術を高めつつ、波乗りのように旬な技術をキャッチアップし続ける必要があります。






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