新型肺炎の患者数が中国で急拡大しています。正確な情報を隠蔽しているのではないかという疑惑が常に付きまとうお国柄なので、フェイクニュースの流布には注意が必要です。


さて、1/27(月)に外来をしていると、タイムリーに(?)中国のチンタオから一時帰国した患者さんが受診されました。この方から下記のようなことを教えてもらいました。


  • 武漢は完全に封鎖されている
  • 空港などいたるところに感染防御服を着用した警官が配備されている
  • 中国人は意外とパニックには陥っていない
  • 中国人は政府発表の10倍の患者数が居ると考えている
  • マスクは全て品切れ状態


今回の新型コロナウイルス肺炎は、入院例では15%もの死亡率ではあるものの、全体の死亡率は3%程度とのことです。現時点では文明を崩壊させるほどの病原性は無さそうです。


そうは言うものの、ウイルス変異によって更に強毒性株が出現する可能性もあるため、注意が必要であることは論を俟ちません。


信頼度は、Lancetや NEJMなどの Quality Journalの論文ですが、リアルタイム性に難があります。厚労省CDCの情報には目を配っておくべきでしょう。


ただし、今回の新型肺炎は潜伏期間が長いため、実際にはどの程度拡散しているのか把握することが難しいです。このような不確実性が高い局面では株価に注目することも一法です。


ご存知のように多様性が確保されている株式市場では、株価には「神の目」が宿っています。1986年のスペースシャトル爆発事故で有名になりました。


私は 2011年の福島第一原発事故の際に、REIT指数の推移および福岡リート vs 日本ビルファンドの利回りスプレッドの動きに注目して、廃都の可能性は低いと予想しました。


今回の新型肺炎ではどうでしょうか? まず日本株式市場のTOPIXです。本日も連続で下げているものの暴落とまではいかないようです。



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次は中国の上海総合指数です、と言いたいところですが、春節期間に突入しているため 24日から休場です...。では、米国の S&P500はどうでしょうか?



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こちらも27日は暴落しましたが、GLOBEXの S&P500先物の値動きを見ている限りでは、小幅な上昇に転じているようです。


以上より、現時点では文明を崩壊させるほどの病原性獲得はもとより、経済活動に大きな支障をきたすほどの影響も無さそうです。このまま収束してくれればいいのですが...。






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