先日、Monthly Orthopaedics Vol.32 No.10をパラパラ眺めていました。手外科外来で使える私の手技という特集でした。前半はエコーのお題が多かったです。
その中で、広島大学の四宮先生による「超音波ガイド下ばね指腱鞘内注射」があったので興味深く拝読しました。
エコーで確認しながら確実に腱鞘内注射しましょう! という趣旨なんだろうなと思って読み始めましたが、意外な結末に唖然としました。
その結果とは、腱鞘内注射と腱鞘外注射には効果に差が無いので(両者とも60%程度の奏効率)、そうであれば痛みの少ない腱鞘外注射でいいじゃないか!という結論でした...。
自分の研究結果を客観的に分析した漢気のある論文です。私だったら、何とかして「超音波ガイド下ばね指腱鞘内注射は有用!」という結論に持っていきそうです(苦笑)。
何はともあれ、今回の四宮先生の研究から、ばね指の治療は腱鞘内注射ではなく A1 pully周囲にステロイドを散布する痛みの少ない手法で十分なことを学びました。
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