先日、大腿骨頚基部骨折の患者さんが入院されました。
大腿骨頚基部骨折は、骨折線が関節包内外にまたがります。
大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン
しかし大腿骨頚基部骨折では、sliding hip screw のみが推奨されています。大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドラインには、short femoral nail を非推奨の理由が記載されていません。
多くの整形外科医の間では、大腿骨頚基部骨折では sliding hip screw を選択するべきというコンセンサスだと思われます。しかし、その理由は何でしょうか???
何だっけな?と思い出そうとしましたが何もアタマに浮かんできません。仕方ないので本ブログ内を検索してみました。すると思いっきり自分で記載していました(苦笑)。
理由1
大腿骨頚基部骨折でshort femoral nailを選択すると、ネイルが骨折部に来るため骨片間の接触面積が小さくなります。 このため、short femoral nailでは偽関節化する危険性が高まります。
理由2
大腿骨頚基部骨折でCCSなどのスクリュー固定を選択すると、大腿骨頭の回旋に対する十分な固定性が得られません。
上記の2つの理由によって、大腿骨頚基部骨折の術式では sliding hip screwのみが推奨されているようです。比較的珍しい骨折ですが手術の際にはCHSを選択するようにしましょう。
それにしても、なぜ大腿骨頚基部骨折では CHSを選択するべきなのかをいつまで立っても覚えられません。う~ん、能力が低いのかヤル気が無いのかどちらなのでしょうか...。
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DHSのツインフック使用しています。
longガンマ使用しているとこが多いと思いますが。