またまた血液透析ネタで恐縮です。
先日、大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭置換術を施行しました。


血液透析患者に対する人工骨頭では、セメント派とセメントレス派の論争が続いています。両者とも正常より looseningを併発しやすいのですが、報告によって優劣はまちまちです。


長期成績が良好なセメントレスステムとして Spongiosa Metalが有名ですが、感染併発予防の観点も含めると、抗生剤含有セメント使用のセメントステムに軍配が上がる印象です。


先日の症例では70歳にもかかわらず骨質が極めて不良で、展開した大腿骨頚部をまじまじと観察しましたが、とてもセメントレスステムを設置できる自信が湧きませんでした...。


私が勤めている施設でセメントを愛用しているのは私だけなのですが、しつこくセメントを使い続けるので、手術室スタッフや前立医師もずいぶん慣れてきたようです(笑)。


健常者の THAはセメントレスを基本としていますが、血液透析の大腿骨頚部骨折に限っては、迷うことなくセメントステムを第一選択にし続けようと思います。





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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です