新型コロナウイルス感染症は、医師に想定外な影響を与えています。それは、収入の劇的な減少です。このことに関しては、開業医・勤務医を問わず深刻です。


まず開業医ですが、患者さんの受診抑制が顕著であることに加えて、自分やスタッフの安全確保が難しいため医療側からも受診抑制に舵を切らざるを得ない状況です。


このため、多くのクリニックや医療機関で医業収入の劇的な減少が発生しています。この状況が長期化すれば死活問題になりかねず、経営者目線では暗鬱たる気持ちになります。


一方、勤務医も厳しい状況に追い込まれる人が増えています。最も割りを食っているのは外勤が禁止された大学関係者です。特に大学院生にとっては死活問題でしょう。


正規雇用の大学スタッフも苦しい状況です。新型コロナウイルス感染症の最前線で戦っている人が、最も割りを食っている状況は信じ難いものがあります。


普通の感覚では、減給(院生は無給・無保障)の状況で命の危険を冒して医療に従事するなどありえないですが、ほぼすべての医師がまじめに遂行しているのは驚くべきことです。


このように医療業界は受難の様相を呈していますが、コロナ禍が過ぎれば元に戻るのかと言うと、そうとも言い切れないと考えています。


平時になれば、医療側は受診抑制姿勢を解除します。しかし、患者さん側では受診抑制が習慣化する可能性を否定できません。


何と言ってもコロナ禍の数カ月程度では、受診抑制しても表面的には疾病の増悪等の問題が表面化しなさそうなので...。こうなると開業医的にはキツイです。


一方、アルバイト枠を減らした医療機関も簡単には枠を復活させないことが予想されます。アルバイト枠は収益性が低いため、患者数が戻っても復活するインセンティブは低いです。


こうなると、コロナ禍の縮小した医療体制が持続することになるため、医師全体の収入はかなり減少することになります。


これらはあくまで私の予想なのですが、新型コロナウイルス感染症は開業医の収益性を棄損し、勤務医のアルバイト・バブルを崩壊させるのかもしれません。





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