民間医局のドクターズマガジン(No.247 May)に興味深い記事がありました。医療従事者による褥瘡の発生防止および治療についての義務違反がみとめられた事例 です。
大脳皮質基底核変性症に誤嚥性肺炎を併発した患者さんに発生した褥瘡に対する訴訟で、ガイドライン、看護計画、院内マニュアルに基づく褥瘡管理の徹底が求められています。
原告は下記2点を主張して、判決でいずれも認められました。
- 患者の褥瘡発生を防止すべき義務を怠った過失
- 患者の褥瘡を適切に治療すべき義務を怠った過失
①にかんしては、看護計画で体位変換を最低 2時間ごとに行うと記載されていたようで、自ら設定した看護計画を遵守しないことは妥当ではないとされました。
最低 2時間ごとの体位変換は、ガイドラインに記載されています。そもそもガイドラインは訴訟の判断材料に使用することを否定していますが、現実には最も重要な判断基準です。
24時間体制で最低 2時間ごとの体位変換など現実離れしていること甚だしいですが、理想が掲げられているので致し方ありません。
看護計画はガイドラインに準拠して策定したのでしょうが、これが仇となりました。ガイドライン記載事項だからと言って実施不可能な事は看護計画に記載しない方が良さそうです。
②は黒色部のデブリドマンや細菌培養に提出しなかったことが敗訴の原因です。徹底的にデブリドマンするならそれなりの医師が必要ですが、この点は考慮されているのでしょうか?
誌面では詳細は分かりませんが、印象としては医療機関に厳しい判決と言わざるを得ません。医療資源は無限にあるという前提で判断されていると感じるのは私だけでしょうか?
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ところで、