以前、膝関節注射の際に注射針を抜く際の音で、関節内に入っていたか否かの判断を行っていることをご報告しました。
関節内から勢い良く注射針を引き抜くと「プスッ」という小さな音がします。この「プスッ」という小さな音が聞き取れると、注射針が関節内に入っていたことが分かります。
この「プスッ」という小さな音が発生する原因は、関節内が陰圧であることだと考えています。さて、この「プスッ」音は、教科書等には書かれていません。
私の経験では、聴取できる確率は 60~70%程度です。どのような患者さんや部位で聴取できるのかをまとめてみました。
- 膝蓋上嚢>肩峰下滑液包>FT関節
- 正常解剖>OAの強い関節
最も聴取しやすいのは、OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢から関節注射を施行したときです。この場合には高率に聴取可能なので、そこで「プスッ」音をマスターします。
OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢で「プスッ」音をマスターした後には、肩関節やOA変化の強い症例にもチャレンジするとよいでしょう。
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