先日、下腿の圧挫による末梢神経障害の症例を診察する機会がありました。受傷後半年ほどなのですが、足背にしびれ感が残存しています。


労災事故がらみだったので、客観的な末梢神経障害についての証明を求められました。足背のしびれている部位を確認すると、どうやら浅腓骨神経領域のようです。


足関節より 2㎝ほど中枢測で tinel like signも認めます。それなら、神経伝導速度で浅腓骨神経損傷を確認できるなと思いましたが、どうやらそうは問屋が卸さないようです。


浅腓骨神経の神経伝導速度など測定したことが無いので、技師さんに確認してみました。浅腓骨神経では刺激点を下腿前方の末梢1/3の部位、導出部位を第3~4足趾基部にとります。


同じ下腿から足部の知覚神経である腓腹神経ではしっかり導出されるようですが、浅腓骨神経では振幅が小さいようでなかなか難しいとのことでした。


安易に測定できます!と言わないで良かった...。整形外科医は単に解剖の知識があるだけなので、このあたりの実践的なノウハウは、技師さんに確認する必要がありそうですね。





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