先日、腸脛靭帯炎(ランナー膝)の患者さんを診察しました。この方は登山愛好家で、今回は下山中に腸脛靭帯炎を発症したようです。


以前から登山中に腸脛靭帯炎を発症することがあったようですが、下山中に発症すると疼痛をこらえながらの下山になるので、非常に困った状況に陥ります。


私自身も長距離サイクリングで腸脛靭帯炎で苦しんだ経験があるので、他人ごとではありません。ロキソニンを服用したりシップを貼っても発症中の症状緩和はあまり見込めません。


登山やサイクリング中に腸脛靭帯炎を発症したらどうすれば良いのでしょうか? 医学的に即効性のある治療はステロイド注射ですが、当然現地では実施不可能です。


現実的な解決法としてテーピングで対応することになります。腸脛靭帯炎ではtoe-inで疼痛が誘発されることが多いです。このため、toe-outの肢位でテーピングすることになります。


具体的には膝関節軽度屈曲位として toe-outにしてから、大腿部と下腿部のアンカーの間で腸脛靭帯に沿って伸縮テープを2~3本回旋するように巻きます。


ちなみに釈迦に説法だと思いますが、toe-outとは足趾が外側に向かう方向です。膝関節軽度屈曲位で knee-inし、足部を外側方向にする肢位でテーピングを巻くとよいでしょう。


これによって、腸脛靭帯と大腿骨外顆の間のインピンジがやや緩和されるので、帰宅までの急場をしのげる可能性が高まります。


腸脛靭帯炎の既往がある方が登山や長距離サイクリングを実施する際には、鎮痛剤やシップに加えて、テーピングテープを持参することを強く推奨します。





★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
  


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。