先日、大学の会合に出席したのですが、闖入者が
延々と個人的発言を続ける珍事がありました。退屈のあまり、持参していた日本整形外科学会雑誌をパラパラ流し読みしていました。



すると、徳島大学の西良教授による腰痛の教育研修講演が目に留まりました。闖入者の小者っぷりにうんざりしていたこともあり、椎間板性腰痛に引き込まれました。


2016年に山口大学から報告されたように、整形外科医がきっちり診察すれば、腰痛の 80%は診断可能です。そして腰痛の原因のひとつとして椎間板性腰痛があります。


診断の決め手は MRIの HIZ(high signal intensity zone)とModic changeです。HIZは画像的にも分かりやすいので、日常診療でも注意して確認しています。


一方、Modic changeを知らない人はあまり居ないと思われますが、恥ずかしながら私は Type 1~3の違いを理解していませんでした。


Type 1は T1WIで低信号+T2WIで高信号、Type 2はT1WIで高信号+T2WIで高信号、
Type 3はT1WIで低信号+T2WIで低信号です。


病理学的意味を考えずに丸暗記していましたが、どうやら、Type 1は炎症、Type 2は炎症が収まったあとにできる脂肪髄、Type 3は硬化像とのことでした。


なるほど、そういう一連の変化ということであれば、MRIの所見を丸暗記する必要さえありませんね! 勉強になりました。







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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。