2021年1月8日から2月7日まで、首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言が発令される見込みです。改めて新型コロナウイルス感染症について考えてみました。


まず、コロナ禍終息に関する私の予想は下記のごとくです。
  1. 集団免疫を得る(2~3年かけて終息
  2. 集団免疫を得る(ワクチンが効果を発揮して1年程度で終息
  3. ウイルスが弱毒化する
  4. 共存の社会的コンセンサスを得る


最も確率が高いと考えているのは、①2~3年かけて人口の6割以上に感染することで終息するシナリオです。②ワクチンで集団免疫獲得期間が短くなるのは期待薄と考えています。


共存の社会的コンセンサスを得るは、PM2.5による死者数増加に危機感を覚える人が少なくなったように、新型コロナウイルスを当たり前のものとして受け入れるパターンです。


いずれにせよ、ウイルス自体が消滅することは想定し難く、コロナ禍終息の必須条件は集団免疫獲得がメインシナリオでしょう。


このような予想のもとでは、ロックダウンは問題の先送りに過ぎません。ロックダウンでウイルスが消滅することはないため、解除すればまた感染が増加します。


この意味では、今回の緊急事態宣言も問題の先送りに過ぎないと考えています。しかも、2020年4月の緊急事態宣言が無意味だったことが全く学習されていないことが残念です。


今回の緊急事態宣言は、ポピュリストと左系マスコミのミスリードによる残念な発令だと思います。中小事業者などの社会的弱者の犠牲を伴うので、本来なら科学的根拠が必要です。


科学的根拠のひとつとして、実効再生産数(Re)の推移があります。下の東洋経済オンラインのグラフのように、2021/1/5時点で1.17なので、特に上昇傾向を認めません。



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東洋経済オンラインより転載


小池都知事のスタンドプレーに追い詰められた感が顕著です。小池さんはノーリスク・ハイリターンの立場なので、ポピュリズムを極めた人の怖さをまざまざと見せつけられました。


さて、ここまでは私の独断と偏見による緊急事態宣言の分析です。たしかに本日の新規感染者数は2447名ですが、現時点での緊急事態宣言は科学的根拠に乏しいという結論です。


首都圏の中小事業者にとって、生き残りを賭けた試練が到来しました。しかし、政府も前回の緊急事態宣言から何も学んでいないかと言うと、そうでもないと考えています。


現行の法制度での緊急事態宣言は茶番ですが、それを見越してなのか、多少は濃淡のついた対策にしたことは評価されます。その代表は若年者の教育機会を守ったことでしょう。



萩生田文部科学大臣は、小中学校や高校に対して一斉休校を要請せず、今月16日から始まる「大学入学共通テスト」については、感染防止対策に万全を期したうえで予定どおり実施することを正式に表明しました。



この状況下で、なかなか漢気のある表明だと思いました。この国の宝である次世代の教育機会を死守する気概は評価できます。


おそらく、本当にコロナ禍を制御するには、若年者にとっては単なる風邪であることを考慮して、高齢者および基礎疾患のある人のみを対象として緊急事態宣言とするべきでしょう。


高齢者、基礎疾患のある人は基本的に自宅待機として、これに該当しない人の生活は制限しない方法です。


実行は難しいですが、無差別に自粛を強要する現在の緊急事態宣言よりも効果的なはずです。これなら早期の集団免疫獲得・経済と死者数抑制が両立できると思うのですが...。







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