昨年、TKA術後の伏在神経膝蓋下枝損傷の予防に、膝蓋前外側皮切(外側凸の弧状切開)が解決策となる可能性があることをご紹介しました。
あれから何例かこの皮膚切開を実践しましたが、いずれの症例も結果は満足のいくものでした。最初に執刀した症例は、かなり BMIの高い方だったので皮弁排除で苦労しました。
最初に少し苦労したので、この皮膚切開に対する警戒心が出ましたが、それ以降の症例は順調にこなすことができました。振り返ると、従来症例とほとんど差はありません。
さて、肝心の術後の膝関節外側痛ですが、術者の主観の影響が大きいかもしれませんが(笑)、おおむね従来法と比較して疼痛の訴えは少ない印象です。
ただし、それでも詳細に診察すると、脛骨結節の皮膚切開よりやや外側部分に tinel like signのようなニブイ痛みがある人が多い印象を受けました。
従来法では脛骨結節直上部分にあった圧痛部位が、膝蓋骨前外側皮切では外側に移動しているのでしょう。ニーリングできるのはかなり大きいと思います。
伏在神経膝蓋下肢損傷の存在を知ってからは、術後に積極的にプレガバリンを使用することになったことも、術後疼痛軽減に役立っている印象を受けます。
ちょっとしたマメ知識や工夫で術後成績が変化することは興味深いと感じました。やはり、医師たるもの、日々知識のブラッシュアップが必要ですね...。
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