先日、尺骨肘頭骨折に対して、リングピンを使用した関節内骨折観血的手術を施行しました。リングピンを採用した理由は、軟鋼線が絶対に脱転しないことです。
鋼線締結法をおこなう骨折としては、肘頭骨折以外には膝蓋骨骨折があります。自験例では肘頭骨折よりも膝蓋骨骨折の方が多く、いつも問題なくリングピンで手術しています。
この感覚で肘頭骨折の骨接合術を施行したのですが、膝蓋骨骨折と比較して骨が小さいためか、骨周囲の腱成分の割合が、肘頭骨折の方が大きいことに気付きました。
つまり、骨の大きさと比較して骨周囲の軟部組織(腱成分)の割合が大きいため、肘頭骨折の方がリングピンに軟鋼線を通す難易度が高いのです。
かなりリングピンを骨から出さないと軟鋼線を通せなかったため、膝蓋骨骨折と比べてやや苦労しました。しかも、リングピン間の距離が短いため、1本ずつ通すのは一苦労です。
やむを得ず、16Gのサーフロー針で両方のリングと腱を一気に貫いて、これをガイドにして軟鋼線を通しましたが、腱成分の損傷を最小限にするためにかなり気を使いました。
肘頭骨折は腱成分の割合が大きくて骨片自体が小さいため、リングピンの使い勝手はさほど良くないことを学びました。
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リングの向きと場所が一致している必要があるのでこっちのほうがよっぽど難しい気がするのですが…とても器用ですね。
自分は腱成分の縦侵襲はあとで膜縫えばOK派です。