最近、予防接種を打った後に注射をした部分が痛くなり、そのうち同側の肩に痛みが移動して腕が挙がらなくなったという人を立て続けに診察しました。
客観的にみると肩関節周囲炎なのですが、当人たちはワクチンとの関連性を強く疑っているようです...。
まぁ、たしかに非医療者であればそう思ってもしかたないと思っていましたが、なんと内科医師まで同じような経過で受診されたので「ん???」と思いました。
本当にそのような合併症があるのでしょうか? 調べてみると、腕があがらないという合併症(副反応)報告は非常に多いようです。正直言って、これには非常に驚きました。
もちろん整形外科的に考えると、ワクチンと肩関節周囲炎には直接の因果関係はありません。しかし、ワクチンの副反応として局所の腫脹や疼痛は高率に出現します。
接種後はしばらく痛いことも多く、無意識のうちに同側の上肢を使わないようにしていると、肩関節周囲炎を併発してもおかしくありません。
なるほど、そのような機序であればワクチン接種後に腕が挙がらなくなるという症状は、あながち因果関係が無いとも言えないと思いました。
時節柄、新型コロナウイルス感染症のワクチンが開始されています。ワクチン接種が加速すると、整形外科への肩関節周囲炎での受診が増えるかもしれませんね。
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今回のコロナのワクチンは筋肉注射なので、小生も打った翌日少し筋肉痛みたいな痛みがありました。
先輩から言われましたが、筋肉注射の予防接種では深く入りすぎて三角筋下滑液包に薬液が入って肩関節周囲炎を起こして上腕骨骨頭壊死をきたした症例もあるそうです。
恐るべし筋肉注射。