Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
90歳以上の脳梗塞でも血管内治療が有効 です。
血管内治療は、80歳以上の脳主幹動脈閉塞による脳梗塞患者の障害軽減に対する有効性と安全性が示されているが、90歳以上では明らかでなかった。国立循環器病研究センター脳血管内科の藤田恭平氏(現・東京医科歯科大学)らは、前向き国内多施設共同研究RESCUE-Japan Registry 2のデータを用いて90歳以上の急性期脳梗塞患者に対する血管内治療と内科治療単独の効果を比較した結果をStroke(2021年3月1日オンライン版)に発表。90歳以上の脳梗塞患者でも血管内治療は安全に脳梗塞後の障害を軽減させる可能性があることを示した。
これは非常に興味深い研究だと思いました。整形外科医のオマエが、なぜ超高齢者の血管内治療に興味を抱くのか?と言われそうですが、場末病院勤務なので必須の知識と言えます。
つまり、健康な人の人工関節手術ばかりしていればOKではなく、来る者拒まずで何でも診る関係で、必然的に超高齢者の脊椎圧迫骨折の保存治療例も受け持つことになります。
たくさんの超高齢患者さんを抱えていると、年に何度かは脳梗塞を併発します。その際のひとつの指針として、今回の研究は貴重な知見だと感じました。
今までは、90歳以上の超高齢者の脳梗塞症例については、基幹病院に転院依頼するべきか否かに迷いがありました。しかし、今後は今回の研究を念頭に判断していこうと思います。