良薬は口に苦しと言いますが、漢方薬のマズさには特筆するべきものがあります。個人的にはあんなマズい薬を毎日服用するのは大変だなぁ...。


患者さんも同じように考えているようで、芍薬甘草湯などを処方する際に食前服用であることを伝えると「空腹時にあのマズさは勘弁してほしい」というコメントがきます(苦笑)。


このコメントを聞いて、そもそも漢方薬はなぜ食前服用なのか? という基本的な疑問が湧きました。たしか、以前に調べてブログにアップしたような気がする...。


調べてみると、下記のようなブログ記事がありました。自分で書いたのに、肝心の内容は完全に忘れています。



まず添付文書に記載されている臨床試験には食前や食間しか記載がありません。つまり、厚生労働省や製薬会社は、食前や食間の服用しか想定していないのです。


その理由なのですが、漢方の薬物動態から次のように説明されます。漢方薬の薬効成分には配糖体がついており、消化管内の唾液、消化酵素、胃酸から、薬効成分を守っています。


しかし、配糖体が薬効成分にくっついている限り、薬効成分は体内に吸収されません。そして、この配糖体は腸内細菌によって分解されます。


消化管内に漢方薬以外の食物があると、腸内細菌の分解能力が配糖体に集中されません。つまり、食前・食間など消化管内に食物の無い時間帯が、配糖体の分解に都合がよいのです。


このような理由から腸管からの漢方薬の薬効成分の吸収をよくするためには、食前・食間での服用が推奨されるのです。ざっくり言うと「漢方薬は吸収されにくい」のですね。



なるほど、漢方薬は吸収されにくいからBP製剤のように食前・食間服用なのですね。食後に服用しても副作用があるわけではなく、単に吸収されないから無駄になるだけです。


漢方薬=吸収されにくい
覚えておこう。






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