新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は、三角筋の肩峰から2~3横指下中央に注射することが一般的です。
三角筋に接種する際には、肩峰下滑液包への誤注入や腋窩神経麻痺の可能性がありますが、多くの人に簡便に施行できるので、第一選択になるのは当然でしょう。
しかし、三角筋へのワクチン接種は、特に 2回目の接種で疼痛を併発しやすいことも事実です。手術をしなければいけない外科系医師にとっては要注意でしょう。
この弊害を避けるためには中殿筋への接種が望ましいと思います。しかし、針先が中殿筋に届かなければ話になりません。そこで、自分の身体で脂肪層がどの程度が計測しました。
- BMI:22.23
- 中殿筋までの距離(クラークの点):10~16mm
- 三角筋までの距離(肩峰下3横指):6~10mm
一般的に接種で使用する 25ゲージ × 25mmの針であれば、どちらに注射しても問題なく筋肉に届くようです。ただし、中殿筋では針の根元まで刺入する必要があります。
注意点として、肥満傾向にある医師がクラークの点に接種する場合には、事前にエコーで中殿筋筋膜までの距離を計測しておく方が良いかもしれません。
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