先日受診した患者さんの過去カルテに「身体表現性障害」という病名が記載されていました。あまり見かけない傷病名なので、気になって調べてみました。
現在では身体表現性障害ではなく身体症状症というそうで、患者さんの自覚症状に見合う身体的異常や検査結果がないにもかかわらず、痛みやしびれなどの症状が続く状態です。
精神科疾患のジャンルに入りますが、患者さんが訴える身体症状を引き起こす疾患や傷病が存在しないことを各専門科で診断していることが大前提です。
整形外科領域では、疼痛、しびれ、筋肉のつっぱり等が主訴になりやすいです。先日の方は軽度のOAがあるものの、ご本人の訴えるレベルの症状の原因とは思えませんでした。
精神科に通院していることもあり、患者さんがまとっている空気感で身体症状症であることが私にも理解できました。
整形外科の方から身体症状症と診断することは不可能なので、疑わしい症例では精神科受診を勧めることになりそうです。
しかし現実問題として、整形外科で問題ないからと言って精神科受診を勧めるのは、要らぬトラブルを引き起こしそうです。身体症状症だと思っても対応は難しそうだと感じました。
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