過去に何度か、大腿骨頚部骨折でよく使用している MicroPort社のポリッシュテーパー+チェンジャブルネックである Profemur Xmの話題を取り上げました。






なかなか良いコンセプトのインプラントなのですが、日本人の高齢女性に使用する場合には大きな問題点がありました。それは、インプラント近位の大きさです。


メーカーの方にお伺いすると、これぐらいバルキーにしておかないとチェンジャブルネックの強度を保てないとのことだったので仕方無いと思います。


一方、ラスプに関しては最も使用頻度の高い最小サイズのラスプがプアだったので、術中骨折併発が危惧されます。このため、いつも冷や冷やして手術を施行していました。


その感想をブログに記載したところ、MicroPort社のHipプロダクトマネジャーの方から、当ブログ宛てに下記のようなメッセージをいただきました。




改善点の最小ラスプについてですが、ご指摘の通りこれまで日本で作成しておりました。 これを改良するため、US本社で新しいラスプを作成し、昨日日本に輸入しました。 ご指摘いただいたラスプの切れが悪く、術中骨折につながる可能性を軽減したいと考えております。




場末病院のしがない整形外科医の書いたブログの感想で新しいラスプを作成するとは思えないので、おそらく全国の整形外科医から同様の要望が多数あったのでしょう。


せっかく新しいラスプを使用できるようになったようなので、大腿骨頚部骨折の症例があれば積極的に使用してみようと思います。






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