コロナ禍で整形外科に影響があったことのひとつに外傷患者数の減少が挙げられます。外出機会が減少したため交通事故も激減し、高エネルギー外傷数はが減少したのです。


もちろんそれ以外にもスポーツをする機会も減少したため、それに付随する外傷も激減しています。このため、コロナ禍の1年半は整形外科的には外傷治療はご無沙汰状態です。


一方、高齢者の大腿骨近位部骨折は、外出とはあまり関係無いイメージです。ところが、大腿骨近位部骨折数も減少している印象がありました。


器械メーカーの方にお伺いしたところ、やはりエリア全体の傾向として大腿骨近位部骨折数は著明に減少しているようです。屋内や施設内転倒がメインなのに何故でしょう?


その理由は定かではありませんが、コロナ禍が影響を与えていると考えるのが自然です。もしコロナ禍に原因があるとすれば、何らかの生活様式の変化があった可能性があります。


ぱっと思いつく原因は無いのですが、コロナ禍前後で施設内等で変化した入居者対応を精査すれば、大腿骨近位部骨折を予防するヒントが隠されているかもしれません。


鍵は、コロナ禍前後の施設内の生活様式変化のヒアリングでしょう。うまくいけば、こういう調査も学位論文のネタになるかもしれませんので、若い先生は参考にしてください!





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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です