先日、受け持ち患者さんの回診をしていると、何となくボーッとしていることに気付きました。居合わせた看護師さんが、検温の際に SaO2が 90%しかなかったと言っています。


ご本人に「息苦しくないですか~」と訊いても「しんどくない」とのことです。しかし、何となく普段と違った印象を受けます...。


脳梗塞があったら嫌だなと思って四肢を診ましたが、自動運動は可能です。何となくボーッとして呼吸機能がイマイチな病態は???


さしあたって胸部CTを撮像することにしましたが、何となく頭部も撮像しておいた方がよい気がしたので、ついでに撮像してみました。


すると、橋出血があるではないですか!!!ビジュアル的に衝撃的な所見だったのですが、なぜか意識障害や四肢麻痺はありません。


後から考えると、何となくボーッとしているのは意識障害の亜型なのかもしれませんが、あの状況で頭部CTを撮像しようと思ったのは我ながら奇跡に近かったです。


定石で考えると胸部CTだけのはずですが、なぜ頭部CTまで撮像したのか? その理由は何となくの胸騒ぎでした。よくベテラン看護師さんの言うことは聞いておけと言われます。


私は忠実にベテラン看護師さんの意見には従うのですが、それはかれらの経験を信頼しているからです。しかし自分の勘も彼らに相当するレベルかも? と思うようになりました。


よく考えると、すでに卒後 20年以上も臨床にどっぷり浸かっているので、自分も「大ベテラン」です(笑)。ベテラン看護師さんだけでなく、自分の胸にも訊いてみよう...。





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