私たちが薬剤を内服するときに目にするのは、PTP包装が多いです。PTP包装とは、press through packの略で、錠剤やカプセルなどを押し出すタイプの包装のことです。


一方、入院中の患者さんでは圧倒的に一包化されていることが多いです。えっ、入院患者さんの実際の薬には興味無い?一度観察してください。ほとんど一包化されているはずです。


なぜ、わざわざ PTP包装から薬を取り出して一包化するのでしょうか? その理由はとても興味深く、入院患者さんが PTP包装ごと服用する事件が多発したからだそうです。


なるほど、たしかに入院患者さんには認知症の方も多いので、PTP包装ごと服用してもおかしくありません。


このような事故を防止するために、全国的に面倒な一包化が行われています。しかし、かなりの部分が自動化されているため、実際の薬剤師さんの手間はさほどでは無いようです。


私たち医師の立場では、入院患者さんの薬剤の一部を変更する場合に、一包化された薬剤を取り出して再度一包化する手間を申し訳なく思いがちです。


しかし、一包化することになった理由と自動化(あとは業務への慣れ?)によって、さほど手間ではないことを知って少し安心しました。






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