整形外科医であれば関節捻挫という傷病名の使用に対して多少の抵抗感があるのではないでしょうか。これらのゴミ箱的傷病名は診断努力を放棄している証左とみなされるからです。


一方、剥離骨折や MRIでの高輝度、低輝度といった用語はどうでしょうか?いずれも広く使用されているため違和感無く使用している人が多いと思います。


しかし、剥離骨折は最近まで正式な医学用語ではありませんでした。整形外科の医学用語は、整形外科学用語集に掲載されているものが正式名称です。


私が整形外科医になったときに購入した第4版では剥離骨折の記載はなく、裂離骨折のみでした。このため剥離骨折という用語を使用すると先輩医師から怒られたものです。


しかし、ICD10には裂離骨折ではなく剥離骨折が採用されています。ICD10はダメだなと思っていたのですが、実は整形外科学用語集でも第8版から両者併記されているそうです。


このため、剥離骨折は医学用語ではないと思っていたのは私の誤りであることが判明しました。どうやら
時代の流れに取り残されていたようです...。



一方、MRIで高輝度や低輝度という表現を使用する人が居ますが、正確には高信号や低信号(intensity)です。「輝度」という表現法は素人っぽい間違いなので注意しましょう。


CTでは density(濃度)ですが、慣用的に高信号や低信号が使用されているようです。このため、MRI、CTとも高信号や低信号という用語を使っていると問題なさそうです。


結構立場が上の人でも「輝度」という用語を使用している場面を散見します。用語が間違っていると、素人っぽくて恥ずかしいので注意が必要だと思いました。






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