Medical Tribuneに社会的意義の高さに関心した記事がありました。妊婦に禁忌の制吐薬、胎児に影響及ぼさず です。
妊娠初期のつわりを感冒や胃腸炎と捉え、治療薬の投与を受けるケースがあるが、問題となるのは、妊娠判明までに知らずに服用した薬剤が胎児に及ぼす影響(主に催奇形性)である。これらに関する疫学研究は乏しく、妊娠継続について悩む例も少なくない。そのため、虎の門病院と国立成育医療研究センターでは、妊婦の薬剤に対する不安を解消する目的で偶発的に妊娠中に薬剤を使用した患者に対するカウンセリングを行うための専門外来を設置。症例を蓄積し、妊婦に対する薬物治療のリスク・ベネフィットを検討してきた。
偶発的に妊娠中に薬剤を使用した患者に対するカウンセリングを行うための専門外来が存在することを初めて知りました。さすが虎の門病院です...。
妊娠初期に知らずに薬剤を服用してしまう例は多いです。ただでさえもストレスの多い出産なのに、不安を感じながら生活している妊婦さんに寄り添う素晴らしい外来だと思います。
そしてその結果を解析して学会発表することも社会的意義が高いと感じました。今回の結論は「妊娠初期のドンペリドン服用による大奇形リスクの増加は認められなかった」です。
しかしその成果以上に、このような外来を設置して、その研究結果を世の中に還元する社会的意義の高さに感心してしまいました。
管理人 お勧めの医学書
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。
姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。