最近、立て続けに近隣開業医の先生からの紹介患者さんで小さなトラブルがありました。それは私のところに紹介される直前に膝関節注射を施行されていたことです。


以前にブログでご報告したように、
術後感染率が有意に上昇するので TKA の術前3ヶ月以内に関節注射を施行するべきではないという論文があります。


この論文の結果を受けて、私は TKAを施行するなら、必ず 3ヵ月以上の待機期間を置いています。しかしどうやら整形外科医の間にもあまり一般的には認知されていないようです。


立て続けに関節注射打ち立てホヤホヤの患者さんが紹介されてしまい、事後対応が少々面倒くさかったです。更に3ヵ月も待たされる患者さんはたまったものではありません...。


しかし安易にすぐに TKAを施行して感染してしまっては元も子もありません。紹介元に類が及ばないように細心の注意を払いながら、なだめすかして 3ヵ月待機しています。


では、紹介元に人工関節目的で紹介するときには関節注射しないでください、と言えばよいのではないかと思うかもしれませんが、チキンな私は残念ながらできていません(苦笑)。


そんな面倒くさいこと言う奴には紹介せん! となることは目に見えているので...。







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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です