先日、若年女性の鎖骨骨幹部骨折に対してリコンストラクションプレートを使用した骨折観血的手術を施行しました。普通の横骨折で何の問題もなさそうです。


定型的に手術を開始しましたが、鎖骨を見た瞬間に目を疑いました。とんでもなく華奢なサイズだったのです。試しにプレートを当ててみると鎖骨の幅の方が小さいじゃないですか!


これヤバいなぁ~と思いながら手術を続けましたが、ドリリングするときに手が止まりました。2.5㎜のドリルがめちゃくちゃ大きいのです。骨の直径の1/3以上ありそうです。


こんなデカいドリルで骨孔を開けようとすると、鎖骨が粉砕してしまいそうでとても怖いです。しかも骨のサイズが小さく髄腔も狭いため、ほぼモノコーティカルなドリリングです。


若くて固い骨なのでドリリングに苦労しながら、冷や汗をかきながら何とか手術を完了しました。なぜこんなことになったのでしょうか? 後方視で検討しました。


そもそもこのサイズの骨は予想できたのでしょうか。たしかに小柄な女性だとは思いましたが、大人びた(成人なので当たり前ですが)風貌で、子供っぽさは皆無です。


ただ、手のひらや足のサイズが異常に小さいです。足のサイズは 20㎝ぐらいしか無さそう。このあたりのパーツのサイズは骨の大きさと連動しているかもしれません。


低身長の人の手術を施行する際には、あらかじめ
手のひらや足のサイズを確認しておいた方が良いかもしれません。そのサイズがあまりに小さいときには注意が必要でしょう。







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