最近の FIREブームの要因のひとつとして米国株高があります。周知のように世界中のマネーが米国に流入しており、米国株高を演出する要因のひとつとなっています。
もうひとつの要因は自社株買いです。GAFAがあれだけ株高なのは、単に成長期待だけではありません。強烈な自社株買いによって株高を演出しているのです。
さすがにキャッシュ産生能力の高い GAFAは該当しませんが、米国には自社株買いや配当政策などの株主還元のために債務超過に陥る有名企業が続出しています。
利益以上の金額を株主還元に回す経済的合理性を著しく欠いた経営方針ですが、株高によって CEOや株主は報われます。日本人の感覚ではアレな感じの金融市場が米国なのです。
米国株はこのようにおかしな状況なので株高を素直に受け入れのは危険だと考えています。米国株が割高であるのは世界に占める名目GDPと株式時価総額を比較すれば一目瞭然です。
米国
名目GDP 24.6%(2020年)
株式時価総額 44.6%(2021年11月)
中国
名目GDP 17.5%(2020年)
株式時価総額 10.7%(2021年11月)
日本
名目GDP 5.9%(2020年)
株式時価総額 5.5%(2021年11月)
米国は名目GDPと比較して株式時価総額が異常に高いことが分かります。世界に占める米国経済の割合が24.6%に対して、株式時価総額は44.6%もあります。
米国の成長性が株価に反映されているという意見もありますが、周知のように第二次世界大戦後に世界の40%近くあった米国経済の世界に占める割合は一貫して低下し続けています。
70年以上続いたトレンドが反転して、米国経済が世界の 44%にまで再拡大することはあり得ないでしょう。明らかに過大評価されているのが米国株なのです。
再掲しますが米国株高を支えているのは資金流入と株主還元です。最近では日本から米国への資金流出が話題になっていますが、日本人の資金が米国株高の肥しになっているのです。
しかしこのいびつな状況が永遠に続くことはありません。長期的には米国経済の実力に応じた株価に収斂するはずです。ブームに乗って米国株に投資するのは危険行為だと思います。
一方、中国は過小評価、日本はほぼフェアバリューと考えて良いでしょう。中国が過小評価なのは政治リスクのためと思われます。
日本株はダメだと言われ続けていますが、意外にも株価は過小評価というわけではなさそうです。現に 2008年を起点とすると、株価指数の上昇率は米国と日本で差がありません。
このように米国株、特に自社株買いで異常な株高を演出している GAFAへの投資は慎重になるべきでしょう。現在の株高の実態は成長期待ではなく過剰な自社株買いですから...。
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