先日、人工膝関節全置換術(TKA)を執刀している際に、骨セメントの手技がずいぶんスムーズになったことに気付きました。もちろん私の実力が向上したワケではありません(笑)


その理由は、使用している骨セメントの性能向上のおかげです。私は、ZIMMER-BIOMET社製の Refobacin ボーンセメントを使用しています。


緑色の骨セメントで組織内における視認性に優れますが、最大のメリットは高粘度であることです。このためワーキングタイムを大幅に増加できます。


実際には、

  • リキッドを混合してから1分後にインプラントへの塗布開始
  • 2分後から脛骨骨面に塗布開始
  • 4分後に大腿骨骨面に塗布開始

という感じなので、混合してから 5分ほどでインプランテーションが完了します。11分ぐらいで硬化するので、これだけ時間に余裕があると術中に焦る場面がほとんとありません。


さすがに THAで高粘度の骨セメントを使用する勇気は無いですが、TKAにおいてはこれほどリスクが低くて有用な骨セメントは無いと思います。







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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です