THAや TKAでは両側とも手術が必要な症例は多いです。THAでは脚長をそろえにいく難しさがありますが、TKAではどうでしょうか。
TKAは、THAほど脚長差をシビアに考えませんが、それでもひとつの注意点があります。それは片側の手術を施行すると、下肢アライメントの影響で手術側が長くなることです。
もちろん反対側を手術すれば脚長はそろうため、さほど問題にならないと思う人が多いでしょう。しかし手術までの待機期間に長くなると手術側の膝に屈曲拘束が発生します。
その理由は歩行のしにくさのためです。下肢アライメントの正常化によって手術側が脚延長したワケですが、非手術側に脚長を合わせるために屈曲しながら歩行します。
この期間が長いと、膝の伸展制限が残存してしまうのです。このため手術側の膝関節拘縮が発生する前に反対側の TKAも施行した方が良いようです。
今まであまり深く考えてこなかったですが、特に膝関節内反の強い症例では、術後に相対的な脚長差が発生しやすいです。
片方の膝関節に TKAを施行したのであれば、反対側も比較的早期に手術する方が、ご本人の ADLを考えると望ましいでしょう。
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