先日、雑談でスプラングバックと棘間靭帯炎という病名が話題になりました。何なんだ、その病名は? まったく聞いたことがありません。


なんでも接骨院でスプラングバックといわれて施術を受ている患者さんが外来受診したそうです。そんな病名聞いたことないですが、それは自分の不勉強なのか?という話題でした。


スプラングバックはともかく、棘間靭帯炎はアリそうな病名です。しかし教科書はもちろん、医中誌で検索してもヒットゼロ...。やはり正式な病名ではないようです。


Googleで検索すると接骨院のホームページばかり出てきます。どうやら彼らが創作した想像上の疾患概念のようです(笑)脊椎外科医にきいても、何だそれ?という感じでした。


もっともらしく、エコーで棘間靭帯に炎症が見られるとの記載もあります。しかしもし本当に靭帯付着部の炎症なら、付着部炎のパターンになるのではないでしょうか。


医学的に考えるとハチャメチャな疾患概念(?)ですが、一般人にはもっともらしく聞こえるのがコワイところです。


このようなエセ情報が流布されるということは、そこに金脈があるのかもしれません。
医療業界の周辺には魑魅魍魎としたモノが多いことを再認識しました。





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