先日、雑談でスプラングバックと棘間靭帯炎という病名が話題になりました。何なんだ、その病名は? まったく聞いたことがありません。
なんでも接骨院でスプラングバックといわれて施術を受ている患者さんが外来受診したそうです。そんな病名聞いたことないですが、それは自分の不勉強なのか?という話題でした。
スプラングバックはともかく、棘間靭帯炎はアリそうな病名です。しかし教科書はもちろん、医中誌で検索してもヒットゼロ...。やはり正式な病名ではないようです。
Googleで検索すると接骨院のホームページばかり出てきます。どうやら彼らが創作した想像上の疾患概念のようです(笑)。脊椎外科医にきいても、何だそれ?という感じでした。
もっともらしく、エコーで棘間靭帯に炎症が見られるとの記載もあります。しかしもし本当に靭帯付着部の炎症なら、付着部炎のパターンになるのではないでしょうか。
医学的に考えるとハチャメチャな疾患概念(?)ですが、一般人にはもっともらしく聞こえるのがコワイところです。
このようなエセ情報が流布されるということは、そこに金脈があるのかもしれません。医療業界の周辺には魑魅魍魎としたモノが多いことを再認識しました。
管理人 お勧めの医学書
自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。
棘間靱帯炎は年に数例診察することがあります。局所の限局した圧痛のみ診断の根拠となります。リドカインを注射する事で瞬時に痛みが取れます。MRIは撮ったことがありません。。。医学的にどうかは分かりませんが、そのような症例はごくわずかですが認めることは間違いないと思います。