先日の人工股関節全置換術(THA)で、久しぶりに新たな発見がありました。発見と言ってもたいしたモノではありません。カップのスクリューに関する些細な気付きです。
周知のようにカップ径のサイズが小さければ小さいほど、カップ内操作が難しくなります。具体的にはカップのホール越しにスクリューを挿入する操作です。
特に大腿骨が邪魔になるホールに挿入する際は、ドリル刺入角度が倒れてしまいます。通常は各方向に20度ぐらいしか振れないので、それ以上の角度でドリリングしてはいけません。
タテマエはその通りなのですが、実臨床では理屈が通じないことも多々あります。ドリル刺入角度もそのひとつでしょう。
かなり急峻にドリリングしたため、案の定カップからはみ出る部分があります。う~ん、これは困った。このスクリュー穴は内板まで貫いていません。ということは全長が海綿骨内。
そうであれば、手前さえ開窓すれば、ある程度はセルフタップで好きな方向にスクリューを挿入できるハズです...。一抹の不安を抱えながら実践すると意外とできました!
なるほど、内板までは至らない短めのスクリューなら、手前の皮質骨さえ開孔すれば、ある程度好きな角度にスクリューを振れるようです。
THA屋さんにとっては、なかなかのノイエスです。もしかしたら、私以外の皆が知っている知識かもしれませんが...。
人工股関節全置換術