先日、橈骨遠位端骨折の手術に入る機会がありました。私は HYBRIXを愛用していますが、今回の手術では ACU-LOCでした。久し振りの内固定材料です。


残念ながら、HYBRIXに慣れた身には何かと不満の残る内固定材料でした。HYBRIXが出るまでは、良い内固定材料だと思っていたのですが...。不満な点を列記してみます。


  • プレートが厚い
  • 微妙にWatershed line designではない
  • ピンがオプションなので、1列目に使いにくい
  • ブロックを固定するネジを外さなければ2列目の尺側孔を使えない


一言で言うと「古い」のです。2000年代前半に上梓された際には、一世を風靡した ACU-LOCですが、10年振りに見ると古さが目立ちます。


なるほど、プレートの形状は何となくカッコいいのですが、臨床的には無意味です。そんなところよりも、Low Profile化を目指すべきではないでしょうか。


唯一、まぁまぁイケてるかなと思えるのは、プレート中央に空いている窓でした。骨折部の可視化に資するようです。これに関しては良いアイデアだと思いました。


ただし全体的な評価としては、プレートの bulkyさを隠しようも無く、早く抜釘しなければマズイなと思わせるプレートの分厚さが目立ちます。


シンセスのインプラントにも共通する部分がありますが、斬新な新商品で市場を席捲するものの、その後の商品改良を怠って埋没してしまった内固定材料かもしれないと思いました。






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