関節リウマチ患者さんの手術って、プレッシャーかかりますよね...。術中に何が起こるのか分からないのが関節リウマチ手術のコワイところです。


さて、愚痴を言っても始まりませんが、関節外科医の目線での関節リウマチ手術のコツを考えてみたいと思います。まず関節リウマチの特徴は骨脆弱性です。


特に骨端の脆弱性はヤバいですね。単純X線像で「骨がほとんど溶けてる!」という症例はもちろんのこと、一見するとフツーにみえる患者さんでもかなり脆弱です。


このため、関節外科医が注意するべき点は、可能なかぎり軟骨下骨を温存するだと思います。
関節外科における関節リウマチの2大手術は、人工関節と関節固定術です。


両者ともピットフォールは同じです。唯一(?)強度を保っている軟骨下骨を破壊してしまうと、リカバリー不能な状態に陥ります。


このため、人工股関節全置換術では表面的なリーミングに留めることがポイントです。イメージとしては、ガリっとひと掻きする程度。


一方、関節固定では軟骨除去さえ必要ありません。何故なら関節固定術が必要なほどコントロール不良な関節リウマチ患者さんでは、もともと関節軟骨がほぼ無いからです。


例えば足関節固定術では、足関節をオープンにせずに足底から髄内釘を挿入するだけで関節固定術が完了します。関節リウマチでは何もしなくても関節が強直します。


髄内釘を挿入することで、関節が強直する期間を短縮する意味合いですね。下手に足関節内をトリミングすると軟骨下骨が破壊されてエライことになるのでご注意を!






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