先日、足関節内果骨折がありました。
PA stage 1で、内果骨片の厚みが 7mm程度と結構小さかったです。


骨折型だけで考えると、迷うことなく鋼線締結法でしょう。画像を見て術式を鋼線締結法に決定したのですが、この患者さんには大きな問題がありました。


糖尿病のコントロールが極めて悪かったのです。このため糖尿病内科医師に依頼して、術前1週間ほど血糖コントロールをしてもらいました。


手術まで結構時間が空いたので創部の腫脹は軽減したのですが、軟部組織の循環状況がイマイチです。あまり派手に展開したくないですね...。


軟部組織を最優先にするのであれば、鋼線締結法よりも cannulated screwの方が望ましいです。しかし内果骨片が小さいため、screw挿入時に割れてしまうと目も当てられません。


少し悩んだのですが、最終的には鋼線締結法を選択しました。できるだけ近位側の骨孔を骨折部に近づけましたが、それでもある程度皮下を剥離せざるを得ませんでした。


今回の症例は、骨折部の確実な固定と軟部組織の温存のトレードオフでした。正直言って、どちらが正解かは未だに分かりません。


まずは cannulated screwを挿入してみて、内果骨片が割れたら鋼線締結法に移行するのが、玉虫色で良かったのかもしれませんね。






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