先日、生物学的製剤投与中の患者さんの人工股関節全置換術を施行しました。術後経過は問題無いのですが、生物学的製剤再開のタイミングで悩んでいます。


術後の生物学的製剤再開の考え方はこちらでご紹介しています。

ちなみに私は投与再開は遅めの方が望ましいと考えています。その理由は、生物学的製剤再開によって感染や創治癒不全などの合併症を併発してしまうとリカバリーが大変だから。




エラソーに上記のようなコメントをしていますが、実際の患者さんを目の前にすると悩みは深くなります。何故なら生物学的製剤を中止していると関節リウマチが再燃するからです。


術後 2週間もすると、両手のこわばりや関節痛がチラホラ出てきます。血液生化学検査でも、じわりと炎症所見が亢進始めます...。


毎日創部を観察していますが、膝と異なり股関節は表面が大丈夫だから感染の心配無し! とは言えません。THAで感染するとエライことになります。


このため主治医的には生物学的製剤再開には二の足を踏みます。しかし、炎症所見亢進は本当に関節リウマチの再燃なのか? という疑心暗鬼が募ります...。


臨床的には明らかに関節リウマチの再燃なのですが、炎症所見亢進は気持ち悪いものです。手術手技も難しいですが、術後管理も悩み深いのが関節リウマチですね。






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初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です