人工関節の術後フォローって、結構めんどうですよね。その理由は、患者さんの自然減はあまりないため、その病院で働き続ける限り雪だるま式に増加するからです。
最近までマジメに年1回の術後フォローを継続してきましたが、人工関節患者さんの数が多くなり過ぎてかなり困るようになりました。
術後フォローで主に確認するべき項目は、もちろんポリエチレンの摩耗です。しかし今はハイリークロスリンクポリエチレン(HXLPE)の時代。
従来のポリエチレンと比較して、ほとんど摩耗が無いと言っても過言ではありません。外来で術後フォローしている人工関節患者さんも、ほとんど全員が HXLPEになりました。
こうなってくると、臨床的にはほぼ摩耗しないと言っても過言ではありません。実際、10年前の THAでも、インナーボールが偏心している症例をほとんどみかけなくなりました。
HXLPEの患者さんの術後フォローを毎年実施するのはナンセンスではないのか? という疑問が沸々と湧きます。
患者さん数が増加したこともあり、思い切って2年に一度のフォローへ舵を切りました。しかし意外なことに患者さんが結構抵抗するのです。
「毎年診てもらいたい」「2年後だと忘れてしまう」等々の否定的意見の嵐です...。希望患者さんのみ 2年に1回フォローにていますが、比率は低いと言わざるを得ません。
実際の患者さんの摩耗度合いを見ていると、2年と言わず 5年でもいいのではないのかと思ってしまうぐらいですが、いろいろな意味で実施するハードルは高そうです。
人工股関節全置換術
以前、上級医にも来なくなるから1年おきにしたほうが良いと教わったことがあります。