経験の浅い者ほど成功するは本当か
昨日の資産形成のお勧め本を質問されて困った件で得たインスピレーションです。お勧めする書籍の選択は難しい理由がもうひとつありました。それは相場環境です。
ここでは分かりやすい例として、日本の株式市場を考えてみましょう。下記は1950年から算出が始まった日経平均の70年チャートです。
(日経平均株価70年 日本経済の動き刻む から転載)
このチャートをみると、1990年のバブル極期、2002年のりそな銀行国有化、2013年のアベノミクスが、相場のターニングポイントであったことが分かります。
大局的にみると、1950年~1990年まではブル相場、1990年~2002年はベア相場、2002年~2012年は、ボックス相場、2013年~現在はブル相場です。
現在現役の株式投資家は、2013年以降のブル相場で参戦した人が多いのはないでしょうか。投資歴10年以下の「経験の浅い」投資家は、基本的にブル相場で戦ってきました。
10年もの長きに渡って一定方向の相場環境が続くと、それに順応した投資戦略を駆使する投資家が成功しやすくなります。つまり、経験の浅いことはハンディになりにくいのです。
このため、経験の浅い者ほど成功するという経験則は、あながち嘘ではないことが分かります。少なくとも現在の相場環境が続く限りは、勝ち続ける可能性があるでしょう。
ブル相場では経験の浅い方が勝負できる
ブル相場に最適化した投資戦略は下記2つの組み合わせです。
- Buy & Hold
- レバレッジをかける
①Buy & Holdは広く周知されている投資戦略です。多少のアップダウンがあっても超長期では株価が上昇する環境では、ただひたすら保有し続ける戦略は合理的でしょう。
リスクも低いため、万人に推奨される投資戦略と言えます。一方、②レバレッジをかける投資戦略はどうでしょうか? こちらは信用取引になるのでリスクは上昇します。
しかし、①Buy & Holdと比較しても、期待できる成果は巨大です。ハマれば雪だるま式に利益が増大するので、短期間で巨額の資産を築くチャンスがあります。
2013年以降のブル相場で活躍した株式投資家の多くはこのパターンです。私のように2000年から参戦したベア相場経験者は、経験が邪魔をして大きなポジションを張れません。
しかし、ブル相場しか知らない世代は怖いもの知らず。イケイケドンドンでポジションを大きくして、きっちり結果を出します。ブル相場では経験の浅い方が勝負できるのです。
ベア相場やボックス相場はベテランの出番
しかし、相場は永遠に一定方向に向かいません。10年にもわたって続いたブル相場が今後も続くとは限らないのです。10年スパンの超長期トレンドが変換するとどうなるのか?
おそらく②レバレッジをかける投資戦略を採用していた人は死屍累々となり、①Buy & Holdの人も振るわない結果に悶々とする可能性が高いです。
ベア相場はブル相場と比較して技術的に難しいです。信用売りや現物つなぎ売りで出血を抑えつつ相場反転を忍耐強く待つ。オプションのスポット併用も有効かもしれません。
ボックス相場はベア相場ほど難しくないものの、感情を排して機械的に売買できるかに勝機がかかっています。こうなるとベテラン投資家の登場ですね。
相場環境によって投資戦略が異なる
ここまで日経平均の超長期トレンドの推移、および各時期にマッチした投資戦略を見てきました。相場環境によって勝ち筋の投資戦略が全く異なることがわかります。
この点がお勧めの書籍の推薦を難しくしています。ブル相場に適した投資戦略を説いている書籍を下手に紹介してしまい、トレンドが転換したら目も当てられませんから。
そして現在はブル相場が継続するのか、ベア相場やボックス相場に転換するのかが読めない状況。大切な友人に本当にお勧めの書籍をピックアップするのは難しいと思います...。
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