3Dプリンタがリハビリテーション医学で紹介された
これはリハビリテーション医学の2022年4月号(vol.59)に興味深い記事がありました。個別性に応じた支援機器を提供するための 3Dプリンティング技術の活用 です。
3Dプリンタという言葉は市民権を得ていますが、実際に目にする機会はあまり無いのではないでしょうか。少なくとも私は身の回りで見たことありません。
「3Dプリンタで立体模型が作れるんだろうなぁ」程度のざっくりした認識しかありませんでした。今回のリハビリテーション医学では3Dプリンティング技術を詳述しています。
3Dプリンタの実際
3Dプリンタとは、材料を1層ずつ積み上げて造形する「積層造形」を行う装置です。精度は0.5mmから0.01mmまで幅があります。
つまり、厚みが0.5~0.01mmの層を下から積み上げていきます。地図帳の等高線がイメージにぴったりだと思います。
積層造形では、造形された下の層に次の断面層を積み重ねます。このため、下の層が無い空中には造形することができません。
空中に造形するには「サポート」と呼ばれる柱のような支持台が必要です。このように、いきなり 3D構造物が出来上がってくるわけではなく、少しずつ下層から造形していきます。
リハビリテーション分野への応用
3Dプリンタでは成形型が不要です。このため、1点物のモデルを作成できます。カスタムメイド可能な特徴は、テーラーメード医療との相性抜群です。
特に補装具や福祉用具の製造に絶大な効力が見込まれます。リハビリテーション医学では、スプーンの持ち柄作成や、手関節伸展サポータが例示されていました。
これ以外にも、データを共有して多施設で活用できるプラットフォーム機能も実装しているそうです。こうなると単なる製造技術の枠を超えています。3Dプリンタに期待ですね!
管理人お勧めの医学書
オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。
使用プリンター:
Flashforge guider2(amazonで18万円ほど)
使用ソフト(全て無料、Macで使用):
Horos(Dicom viewer : CTの画像データ取り込み、必要領域抽出)
Meshmixer(Horosで作成したデータを加工、骨盤半割など)
Flashprint(3Dプリンター付属のスライサーソフト)