コロナ禍の2年間で整形外科専門医の単位を荒稼ぎしました。このため、先日の日整会では単位に縛られることなく、興味のある会場を「はしご」しました。


専門医資格更新まで 3年を残して、ここまで余裕のある状態は初めてです。本来の学会参加としてあるべき姿ではないかと感じながら学会を楽しみました。


primary THAの難症例


ふらっと立ち寄ったのが、金沢大学の加畑先生の講演でした。興味深く拝聴したのですが、 RAO後THAの腸腰筋インピンジメント(Ilio- psoas impingement:IPI)予防に驚きました。


RAO後THAでは、寛骨臼前壁が欠損している症例が多いです。前壁が欠損してるとカップ設置自体が難しいですが、それに加えて腸腰筋インピンジメントも併発します。


腸腰筋インピンジメントは一度併発すると、患者さんの満足度が大幅に低下します。このため、術者としては可能な限り回避したいところです。


ところがRAO後THAでは、カップの設置位置だけでは対応できない症例が多いです。その対策として、なんと加畑先生は腸腰筋腱をカップの6時方向で切離しているとのことでした!


高度の短縮症例では、やむを得ず小転子の腸腰筋停止部でリリースすることはあります。しかし腸腰筋腱をばっさり切離すると、当然のごとくSLR不能となります。


実際に加畑先生の症例でも、術直後はSLR不能でした...。しかし、術後3ヵ月ではSLR可能になっていました。切離部がなんとなく癒着するのでしょう。


自分が同じことをやるかと言われると、なかなか難しい気がします。必ずSLRが回復すると確信が持てないからです。大学の看板を背負いながら実行するとは恐るべしですね。







管理人 お勧めの医学書

 
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です





人工股関節全置換術