保険者による装具の支払い拒否多発


全国的に、保険者に装具の支払を拒否される事案が多発しています。例えば足関節装具。現時点で医師の処方以外にも、義肢装具士の採型が必須となっています。


この両者がそろっているにもかかわらず、支払が拒否される事例まであります。装具は高額なので、もし保険が利かずに患者さん全額負担になるとトラブルの素です。


このため、特に足関節装具では処方するに際して細心の注意が必要です。この問題に対していくつか対策を検討しました。その結果、妙案があったのでご紹介します。


実質装具なのにシーネ扱いのフィットキュア・アンクル


解決策のツールはアルケア社のフィットキュア・アンクルです。下図のように見た目や装着感は足関節装具です。それにもかかわらずステー部分がシーネの扱いになるアイデア商品。



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フィットキュア・アンクルは装具ではなくシーネなので、保険者に支払拒否される恐れはありません。しかしこれは悪質な保険支払い迂回行為ではないのか?という疑問が湧きます。


コロンブスの卵的な発想の転換ではありますが、もちろん違法行為ではありません。むしろ、これまで足関節装具で暴利を貪っていたことへのアンチテーゼとなります。


アルケアは足関節装具も販売しているのでカニバリゼーションになります。しかしフィットキュア・アンクルを上市せざるを得ないほど保険者のプレッシャーがキツイのでしょう。


医療費削減の観点でも、従来装具の半額程度のフィットキュア・アンクルは望ましい医療材料だと思います。足関節装具を全面的にフィットキュア・アンクルに置換するつもりです。






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