整形外科医と言えども、尿潜血プラスの症例を担当することは多いと思います。術前検査では結構な頻度で尿潜血プラスですし、高齢の入院患者さんでも尿潜血は一般的です。
このため尿潜血をみても特に何も感じなくなりがちです。「あー尿潜血ね、よくある検査異常値でしょ」と思っている人も多いはず。
もちろん多くの尿潜血は尿路感染症や尿路結石に付随したものです。このため医師側の緊張感は緩みがちです。しかし、尿潜血の原因が腫瘍である可能性があります。
しかし、血尿診断ガイドラインでは血尿があった場合には、膀胱癌のスクリーニング(尿細胞診を)を追加することは血尿診断ガイドラインで推奨グレードBとされています。
推奨グレードBとは無視できない評価です。大多数の整形外科医は無症状の尿潜血をみてもスルーしているのではないでしょうか。しかしこれは地雷原を歩いているようなものです。
やはり血尿が持続している場合には、泌尿器科に診察依頼するべきでしょう。過剰医療の誹りを受ける可能性はありますが、トラブル回避にはやむを得ずではないでしょうか。
管理人 お勧めの医学書
今回の記事で、やっぱりしておいた方がいいんだと実感できました。ちなみに紹介した患者で腫瘍が発見された症例は今のところありません。