Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
1秒でも早く帰宅するための5箇条 です。
がん研有明病院形成外科の宮下宏紀医師による、第65回日本形成外科学会でのシンポジウムでの発表です。
宮下医師は遊離皮弁術による乳房再建を多数手掛けつつ、がん研有明病院で初めて男性医師として育休を取得したそうです。たしかに医師の育休ってほとんど聞いたことありません。
1秒でも早く帰宅するためには、チーム医療の推進が不可欠とのことです。そして実際に行っているポイントは下記の5つに集約されます。
- 責任分散:チーム制として全ての業務がチーム内で完結する
- 短時間化:遊離皮弁術を4つの工程に分けて、それぞれ別の医師が担当する
- 休日確保:休日の病棟回診は完全シフト制
- 人材確保:病院として独自採用(2022年度は10名の希望者あり)
- 売上確保:診療報酬改定で遊離皮弁術の点数が10,790点上がって100,670点となった
1秒でも早く帰宅するためのコツを知りたかったのですが、世界が違い過ぎて参考になる項目が全くありません...。
がん研有明病院でこれらの施策が可能なのは圧倒的なブランド力によるものでしょう。フツーの病院では医師のマンパワー不足が常態化しているので①~④は望むべくもありません。
⑤は診療報酬の局所的バブルなので、医師側ではどうすることもできません。ちょっとアレな結末でがっかりですが、強者はますます強くなる典型例なのでしょう。
私のような場末病院に勤める弱者は、別の方法を考えるしかなさそうです...。
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