リハビリテーション医学第59巻第7号の特集記事で、興味深い TIPSを発見しました。大腿骨近位部骨折の術前リハビリテーションの実際と課題 です。
大腿骨近位部骨折の術前リハビリテーション?疑問に思った方が多いことでしょう。術前リハとか言う前にとにかく早く手術をしよう!というコンセンサス形成されているからです。
そして、本パートを担当された国立長寿医療研究センターの松村純先生も執筆に苦労された形跡があります。特集の内容は、術前リハというよりも看護の注意点がメインですから。
そもそも大腿近位部骨折の術前リハというお題自体に無理があります。こんな特集を任された松村先生はお気の毒でした...。
そもそも大腿近位部骨折の術前リハというお題自体に無理があります。こんな特集を任された松村先生はお気の毒でした...。
しかし、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている(?)現状では、思うように手術できない施設が多いのも事実です。このため手術までの待機期間は長くなりがち。
その意味では意義のある特集記事だと言えなくもありません。そしてこの記事の中で総腓骨神経麻痺対策の部分が目を引きました。
大腿骨近位部骨折の患者さんは認知症の方が多く、こちらの指示が入らないことが多いです。このような症例では、長母趾伸筋腱のレリーフの有無で麻痺併発の推測が可能です。
文献的にこの点に言及しているものは見かけませんが、おそらく多くの整形外科医が経験的に実践していることでしょう。
せっかちな私は、THAや TKA術後の抜管前に患側の長母趾伸筋腱のレリーフを確認して、レリーフがあれば麻痺無し!と判断しています。
皆、同じようなことを考えているのだなと妙に合点しました。今回の特集では、日常診療の TIPSが文献化していることを発見したのが新鮮でした。
医学知見探求サービス
医学知見を医師ユーザー同士で発信・共有するコミュ二ティに参加しませんか?
「医師と医学知見との出会いを再定義する」 Quotomy(クオトミー)は、臨床現場で働いていると個人で医学知見をキャッチアップすることが難しい、という臨床医の切実な痛みから誕生しました。
忙しい日常の中で、医学知見を得たり、発信したりすることが難しくなっています。 時間的・地理的制約のために、学会や勉強会への参加もできない環境で働く医師もいます。
知への探求を諦めていませんか?
抄読会をする感覚で、Quotomyで論文を読んだ感想や気づきをシェアしましょう! お気に入りのユーザー同士はフォローでき、お互いのアクションを確認できます。
Quotomyは現在ユーザー登録受付中です!
登録は こちら からお願いします。