抜釘はした方がよいのか
今日は抜釘術の話題です。
患者さんからの質問ランキングで第一位かもしれない項目に抜釘術があります。
その内容はズバリ「抜釘はした方がよいのか?」です。整形外科医であれば、ある程度明確な答えを持っていることでしょう。私の場合は下記の基準です。
抜釘した方が良いケース
- 若年者の下肢骨折で使用した内固定材料
- 橈骨遠位端骨折の掌側プレート
- 露出部の皮下にあるプレート
- 椎体間固定をしていない脊椎インストゥルメンテーション
抜釘しない方が良いケース
- 大腿骨近位部骨折の内固定材料
- 遷延癒合になっている長管骨骨折の内固定材料
どちらでも良いケース
- 上肢骨折の内固定材料
こんな感じの回答&治療方針でやっています。細かい点では異論も多いかもしれませんね。あと、国が違えば抜釘術の方針も異なります。
一方、特に注意している点は、大腿骨近位部骨折の内固定材料です。比較的若年者であっても抜釘はしない方がよいと考えています。
その理由は、下手に抜釘すると再骨折の可能性が上昇するからです。また大腿骨頚部骨折で大腿骨頭壊死を併発した症例では、ピンやスクリューを抜釘すると高率に圧潰します。
たかが抜釘、されど抜釘です。患者さんから質問された時に、しっかり答えられるようにしておきましょう!
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